アラフォーがリアルで言えないハマリ事を語るブログ

アラフォー主婦がリアルで語れない事を書くブログです。とっちらかってます。

ろくでなしバーサス!:濃厚湿潤作画に独特セリフの絶妙な逸品

葉月つや子先生、正直に申し上げると、たまーに雑誌で見かけては「うっわ」と敬遠していた方です。絵はね、しっかりしてるんで嫌いではないんですよ、ほんといやらしいぐらいに。でもなんだか…なんだか私にはねっとりしすぎていて、艶かしいを通り越してナマナマしすぎていて、触りたいけど触りたくない煮豚の煮凍りのような存在(謎)だったんです。

それがなぜレビューを書くまでに至ったか、それは単に表紙買いしてしまったからです。パッと見、この先生だとは思いませんでした。人の名前覚えられないんです、私。

だもんでもちろん苦手な先生の名前は覚えてませんでした。で、この表紙、これはタミヲ君と先生かな?を見て、あー夜のリーマンが絡むお話ねー、楽しそうじゃない、と手を出してしまったが運の尽きってやつですよ。

あとで見直したら確かにこの方の絵だとわかるんですが、カラーだからか、かなり煮凍り度が薄まっておりまして、気づきませんでした。あはは。

 

ページを開いて「うっわ」と思いましたが、せっかく買ったし、と意を決して読み始めてみると…、なんだコレ、面白いじゃないですか。

先生の独特の間、セリフ及び言い回しが妙にツボってしまいました。シリアス絵ばかりなのに面白い。なんだコレ。同じような作風の方もいらっしゃいますが、重厚さが全然違います。あちらが檜作りだとするならばこちらは重金属、それこそ年の功とでも言いましょうか…年齢を重ねてこそ醸し出せる粘性といいましょうか…

 

そして独特の表情もまぁ、見慣れてしまうとそこまで気になりません。元来少女漫画系ふにゃ絵よりこんなしっかりした絵の方が好きなんです。ただ肉質感あふれる唇とかね、目や舌の3D感とかね、アメコミばりにリアルを主張されると若干引いてしまうというか…。

でもこの方の絵はアメコミのドライリアル調ではなく、リアルはリアルでもどこかねっとり熱帯気候な感じがして、更にどこかで見たような気もなきにしもあらず、不思議な感情が湧いてくるんです。

と思ったら先生、本業はレディコミの方だったんですね!なるほど納得!
この既視感、腑に落ちました!

あの世界の画風って独特ですよね。昔親に連れられていった美容院(現ヘアサロンですが、あえてこう言おう、美容院)に置いてあった「女性◯身」とか「女性セ◯ン」とか、おばちゃん井戸端会議の情報源的週刊誌にあった漫画が恐ろしくリアルで、子供心に怖いもの見たさで見るけれど、やっぱり怖くて読めなかった、あの漫画と同郷だったんですね。でも、先生のお人柄でしょうかBLでのスタンスでしょうか、ホンモノのレディコミよりも若干軽く感じます。 ビニールハウスに風が吹き込む小窓がある、そんな感じです。あ、女がいないからだ!(笑)

 

長々と絵について語ってしまいましたが、話の方はといいますと、水商売を商いとしている木暮親子(+α)がいかに誰かとくっつくか、のオムニバスストーリーになっております。アホエロです。アホエロでよかった。

総タチ父子(自称)だったのに、子供達は2人ともお堅い職業の方達を掘るつもりが、逆にがっつり掘られてしまいました。お父様はさすがペロリと食っちゃいましたがねw

エロエロ濡れ場シーンもこの方独特な場面が沢山で、ここから食えるんだー(何を)とか、あんなとこ伸びるんだーとか、他の作家さんが描かない体位満載で新鮮でした。ここまでリアルだと白抜き部分がとてつもなく勿体なく感じます。白線修正でもう一度でないかしら。

 

とにかく絵にセリフにエロに(あとがきに)心を持ってかれました。鬼プロ軍団にも…。

 

面白かった。と言えるのはアラフォーになったからかなぁ…。

このエグみを堪能できるのは大人になった証でしょうか。
子供の頃苦いだけで美味しいと思わなかったフキノトウが大人になって美味しく感じる、そんな気持ちです。