サカズキさん家の義兄弟:BL的踏み絵本
こちら、佐保先生の非BL本です。しかし限りなくそれに近い本です。
ストーリーは、小柄なヤンキー漢前高2兄と長身な天然優等生小6弟が両親の再婚で義兄弟になり、さらに初っ端から両親が海外赴任で一転2人暮らしになる、というBL兄弟モノの典型的なシチュ。そこにお互いの友人だとか幼馴染だとかが絡んできて、そのキャラ達や関係性もまたBLにありがちな要素をぎゅっと詰め込んでるので、どこでどうなってもおかしくないのに…何も起こらないんです。
読んでると、腐な人はここでこーなるよね?ぐふふ。なんて考えてしまうところをピュアッピュアに何事もなくスルーされてしまうので、自身がどこまで腐海に足を踏み入れてしまっているかが嫌でも露呈されてしまう踏み絵的な本であります。
なのでエロやラブがないと読む気になれないという完全なる腐女子の方々には眩しすぎて直視できない、もしくは寸止めだらけで不完全燃焼な思いを全編通してすると思います。
逆に、非腐女子に読ませてみると、その中に秘められた腐の扉が見えてくるのかもしれません。この本に妙にドキドキしたら腐の要素あり、と思ってもいいかも。
でもBLじゃないから一般女子にも安心して見せられるので、腐女子開拓本として最適です。
ブロマンスというほど男同士の絆な話ではなく、でもお互いの周りにちょっと嫉妬したりもするよ、独占欲もいっちょまえにあるよ、さらに異性間の恋愛要素も皆無(おくびにも出やしない)、という状況なのにどうしてBLシチュにならないのか、本当に不思議でなりません。男子DK達がわちゃわちゃして可愛いお話?いや、どっちつかずでむしろ勿体ない。
なんて言ってる時点で私はこの沼から抜け出せない位置まで来てるようですね。あぁ。