アラフォーがリアルで言えないハマリ事を語るブログ

アラフォー主婦がリアルで語れない事を書くブログです。とっちらかってます。

黄昏アウトフォーカス:甘酸っぱい青春映画

じゃのめ先生のシリーズになってますね。こちら、「黄昏アウトフォーカス」「残像スローモーション」「黄昏アウトフォーカス overlap」の3冊あります。

どれも高校の映画部を舞台にした作品で、「黄昏」はメインになる寮で同室の二人、「残像」は映画部三年部長と次期部長の二年のお話です。

どれもいい!

 

内容は、高校の寮で同室になった2人、ゲイの寿と映画部撮影班の真央。2人でカメラの前でお互いプライベートを邪魔しない・口外しない・手を出さないと3つの誓いを立てます。

二年になって映画部は文化祭に発表する映画のテーマをBLとし、監督の市川は寿に主演を演じるよう交渉してくれと真央に頼みます。テーマがテーマだけに真央が寿との約束を破ったのではないかと誤解されるのでは、と交渉を躊躇している間に寿はそのオファーを受け、主演として真央達の部活に参加します。

こんな感じでほぼ高校の映画部のお話なんですが、部活にしてはとても高度な分業での連帯感があって、二年生だけでここまでできるなんてと感心しきり。三年は三年で別の作品作ってるし(残像)、そっちはCGなんて使っちゃったりしてもっと高度なんですよ。こういう子達が集まる学校なんですかね?

 

なんて内容とは違うどうでも良い部分が気になるのは話がしっかりとしてるから、が前提なんですよね。話がグダグダならそんな細かいところまで目がいかないですから。

いいですよーキラッキラの高校生活。アオハルですよ。あ、でもアオハルなんてオシャンな言い方ではないですね。やっぱりこの作品は青春(せいしゅん)て言葉がよく似合います。

なんだろう、登場人物は現代の子だし、使ってるものもスマホやコンビニなど21世紀なんですけど、空気感が昭和なんです。なんだか懐かしい雰囲気。

もしかしたらマイルドヤンキーな寿が壁に掛けてるすだれ(おばあちゃん宅の台所の入り口や勝手口なんかにかけてありそうな…)とか、市川の無造作まとめ髪ヘアにアラレちゃんメガネとか、映画部双子のアシンメトリックな髪型が昭和感を醸し出してるのかもしれません(アラレちゃんメガネは最近流行ってるようですが、それとは時代が違いそうな…)。

まぁ一番の昭和感はじゃのめ先生の絵のタッチかもしれません。崩した顔のパーツがいちいち懐かしいんです。これは一周回ってオシャレになってきたクチなのかしら?アラフォーだから懐かしい?


それよりもなによりもこの作品を際立たせるポイントは独特のアングルですね。俯瞰・見上げなどのどこから見てるのアングルもさることながら、遠近法をものすごく使いまくってて、それがまぁ多少大げさだったりするんですが、それが嫌味なほどに作品の雰囲気とマッチしてる。さらに身振り手振りも結構大げさでドラマチックなんですが、これもまたこの作品を唯一無二に仕立て上げてる要素の一つなんですよね。

 

なんだか映画のワンシーンどころか映画を1本見てるみたいな気分にさせてくれます。